母親から「口のついているものは何かと手がかかる」と昔よく言われた。
犬を飼うと旅行もできない。
餌もそうだし糞(フン)もする。掃除もしないといけない。散歩もそう。
ただ間違いなく(嫌いでなければ)癒しになる。 取引先の人等は「唯一の話し相手」など自虐気味に言っていましたっけ。
死んだときの悲しみは半端ない。娘などは愛犬が亡くなった時には半狂乱となっていた。
で、熱帯魚。
サカナ飼育歴ほぼ50年の(何歳なんだ?)私が熱帯魚をいろいろな年齢層・職業・立場の人にお勧めする理由を解説を交えてご紹介させていただきます。
【 なぜ熱帯魚がいいのか 10個の理由 】
- 死んだときのショックが比較的少ない
- 手がかからない
- とっつきやすい
- それなりになつき、癒しになる
- インテリアとして綺麗である
- 感受性がゆたかになれる
- 一日のサイクルができる
- 費用的にも楽である
- 風水上(位置によるが)最強となる
- 神になれる
1、死んだときのショックが比較的少ない
しょっぱなからなんですが、死んだときは動物は「肉」になりますよね。水の中の小さな「肉」はすぐに腐ってしまい、またすぐに生きていたときとは似ても似つかない形に変化しますので悲しむ前に早く「処理」しよう、と思うことができます。
原型をとどめない、というのは「ああ、ここにはもう彼(彼女)はいないのだ」とあきらめがつくもです。
2、手がかからない
餌はやりすぎなければちゃんと成長します。 水をいつもきれいに保つための装置(フィルター)もあります。安いやつでもちゃんと機能します。
ライトをつけたりけしたりするのはキッチンタイマーで自動にすることもできます。自動給餌装置もありますので長期出張があってもちゃんと生きています。
砂があって水があって水草があって照明があれば(熱帯魚の場合はあとは適度な温度)熱帯魚は元気に成長します。
むしろやりすぎないほうがいいかもしれません。
元気な(健康な)個体が入れば少々適当でも立派に生きます。
3、とっつきやすい。
中にはブランデーグラスひとつで楽しめる熱帯魚もいます。 ベタという魚などはまさにそうです。彼らは空気呼吸もできるのでエアレーション(ブクブク、ですね)しなくても酸素不足になったりしません。
塩素(カルキ)を抜いた水(水道からだしたあと半日さらしておくだけでいい)で室温で生きていけます。
塩素の抜けた水は腐りやすいのでフンとかがたまらないようにまめに水替えをすればいいだけです。
私がここでどうの言うよりもメダカや金魚を飼ってみたりした人も多いのではないでしょうか。
実は「熱帯魚」のほうがメダカや金魚より買いやすいかもしれません。
特に価格の安い熱帯魚は丈夫です。 生命力が強いですから大量に繁殖させて船便で揺られて日本に届いてもピンピンしているわけですから。ストレスにも強いんですよね。
熱帯魚飼育セットを買ってきて(おそらく砂と水草はついていないので別に用意する)水を入れて1~2日フィルターをまわしながら放置して選んだ熱帯魚をいれるだけ。餌はその熱帯魚に合ったものを購入します。
4、それなりになつき、癒しになる
最初はストレスもあるのでなかなかエサも食べませんが少しずつ水面に浮かんだ餌も食べるようになります。
なんどか餌をあげるとその動作をみてガラス面に顔をすり寄せはじめます。 お尻を振ってその可愛いこと! さらに慣れてくると水槽の前をとおっただけでガラス面でそのダンスをはじめるようになります。
疲れて家に帰った時真っ先に出迎えてくれるのは彼らかもしれません。
5、インテリアとして綺麗である
フィルターで浄化されたきれいなみず、泡、水草の濃淡のある緑、特殊な浄化用のバクテリアが仕込まれた鮮やかな砂、そして色とりどりの熱帯魚はインテリアとしても映えます。
そして意外と癒されるのがフィルターやエアレーションから聞こえる水や泡の「音」。
ポコポコ、ピチャピチャという小さな音はストレスを確かに和らげてくれます。
最近は先述の通販でも買える熱帯魚飼育セットもずいぶんおしゃれになりました。昔はポンプの音も大きくフィルターや照明もいかにも、というものでしたがモーターも静かに強力になり照明もLED化されたので見た目も音も清潔でおしゃれになっています。
震災以来、温度ヒーターも安全なものになりました。

6、感受性がゆたかになれる
熟睡中、寝起き、絶好調のとき、表情(体色)が変わります。それぞれの個体の縄張りも発見できます。力関係もわかります。喧嘩もしますし、弱いやつと強いやつの成長速度はみていてもはっきりと違います。
彼らを観察しながら時に笑い、時にドキドキし、ときにほっとし、また驚かされることもあるでしょう。
メジャーな熱帯魚しか輸入されていませんから不安要素はほとんど情報としてその対策も得ることができます。私にご相談いただいてもかまいません。
水替えがうまくできなかったときとかかなり心配になるかもしれません。でも正しく行うと彼らはみるみる元気になります。
こころが揺さぶられるのはいいことですよ。
7、一日のサイクルができる。
照明を自動で行っていない場合は彼らの世界の日の出、日の入りは飼い主が決めます。 だから夜遅くまで付き合わせるのもあなた次第です。
自分のことはともかく、彼らには朝ちゃんと起きて夜は早めに寝なさい、と思えるようになりますよ、きっと。
餌はいつやっても元気なら食べますが、規則的にあげたほうがいいのは間違いありません。それに餌のやりすぎは水が傷みます。
自分がまだベッドからなかなか抜け出せない時でも彼らには先に朝食をたべさせるようになってしまうのは不思議なものです。
8、費用的にも楽である。
1匹数十円から数万円までありますが、車とかと違って駐車場もいりませんし税金も(消費税以外は)かかりません。ガソリンもいりません。エサ代は特殊なもの以外は(ピラニアとか)それほどかかりません。
ピンからキリまであるといえばありますが、さきほどの熱帯魚セットでも42センチ水槽で¥6,530でアマゾンで販売しています。そこそこ立派です。
比較的人気のある熱帯魚の殆どがあまり大きくなりません。 ワンちゃんもそうですが、成魚になった時にどのくらいの大きさになるかはお店でわかります。金魚すくいで持って帰った金魚がとんでもなくおおきくなりめっちゃめちゃエサをたべるのとは(あいつら砂まで一緒に食べちゃいますよね)違います。42センチ水槽であればディスカスとかエンゼルフィッシュとか中型の熱帯魚でも数匹飼うこともできます。
熱帯魚屋さんに行って「この魚がいい!」と思えばそれだけを可能なかぎりたくさんいれちゃうのも楽しいでしょうね。予算も考えながら。
水草のすきまから魚ちゃんがそおっと現れるのを見つけるのもいいものです。魚の数が少なくても楽しめるのが熱帯魚飼育です。
家の中の限られたスペースでそのスペースに合った魚が気持ちよさそうに泳いでいるのを見るのは気持ちのいいものです。
できるだけお金はかけたくない、ということであればアッテとかジモティーのようなフリマサイトで探すのも手です。ネットの力で不用品を引き取るのは熱帯魚に関しては非常にいい方法です。
愛情込めて育てていても引越しや何らかの理由で手放さないといけないケースは多いと思います。うまくいけば水草や熱帯魚も安くいいものが手に入るかもしれません。消耗材は自分で調達した方がいいかもしれませんね。お店で買うより病気とかの心配はないこともあります。
9、風水上(位置によるが)最強となる
「財位」の方位に「水龍」を配置することによって財運は最強となります。水槽は風水アイテムとしては非常によいもののようです。よい方角は西南か東、南は避けてください(実際藻が大量発生します)。
玄関や寝室もよくないようです。いずれにせよ水はいつもきれいに保ちましょう。
お金持ちの家にはどこかに綺麗な水が置いてあります(意外と本当なんです)。 そこで浄化され、癒され、「気」が湧いてくるのでしょうね。
どうでもいいことかもしれませんが、結構、古の人たちは理にかなったことを言ってるので参考にすべきかもしれません。
10、神になれる
(笑)。
水質、酸・アルカリ、水温、太陽(照明)、酸素、二酸化炭素、水流、すべてあなたの思うままです。水槽の中の世界は、魚たちの命、生活はあなたが決めます。毎日の食事だけでなくパートナーや敵、すべて、です。
思い通りにならない日常の中、思い通りにできる玉手箱の中を楽しんでください。
簡単で実は奥が深い、それが熱帯魚飼育。
次回はそんな中で少々癖のある、でも私は大好きなチョコレートグラミーの話をしたいと思います。 お楽しみに。